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なぜ2017年静岡県知事選挙の候補者は人口減少に対して無策なのか?

静岡県知事選挙が6月8日に告示されました。3選を目指す静岡知事の川勝知事とバルセロナ五輪柔道銀メダルの溝口氏による一騎打ちです。

これから両氏は、様々な政策を提示しながら投票日である6月25日を目指して選挙活動を繰り広げていくわけですが、どうも腑に落ちないところがあります。

人口減少に対して無策であるということです。

 

静岡の人口減少はひどい状態

静岡県の政令指定都市である浜松市と静岡市の人口減少は全国でNo1を争うほど、ひどい状態です。原因は、都市圏へのアクセスがいいことや、若者が働きたいと思える仕事がないこと、大学がないことなど様々な原因があります。

人口統計をよくよくみてみると18歳〜22歳にかけての若者が極端に少ないことがわかります。これは、県外の大学に出て行ってるからでしょう。さらに、男性に比べて女性のほうが転出しています。女性が学びたいと思える大学、働きたいと思える会社がないのではないでしょうか。

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で、話は戻りますが、人口減少が課題だということは、両氏も認識しているところです。

例えば、川勝知事は、次のように述べています。

「人口減少・超高齢化」は先進国がいずれは直面する状況です。人口増加が続く米国、中国、インド、東南アジア諸国等も、遠くない将来「人口減少・超高齢化」を迎えます。

日本は既に「人口減少・超高齢化」が急速に進む「世界最先端」の国。その真ん中にある静岡県では、これまでの8年間の取り組みにより、世界文化遺産登録された富士山等、地域の資源や魅力が世界に向けて大きく花開こうしています。

「人口減少・超高齢化」に伴う課題を乗り越えた、「世界最先端」の静岡県の実現、“ふじのくに”づくりの総仕上げを、次の4年間、全力で進めます。世界最先端の静岡県、世界に誇れる“ふじのくに”を、県民の皆さん、一緒に創っていきましょう!

 また、溝口氏も次のように述べています。

第三に、人口減少が全国ワースト4位です。この素晴らしい静岡が何故?

これでは静岡県はダメになってしまう、その危機感が、私を奮い立たせました。県民のみなさまとともに県民の目線によるバランスの取れた政策で、静岡県を元気にします。

両氏とも、人口減少については県の最大の課題の一つとして認識していると言えるでしょう。ただ、原因の分析、それに対する対策がはっきりと書かれていません。むしろ、オリンピックや経済などについて触れているだけです。

違うのでは?と思うわけです。

問題として指摘しているのであれば、なぜ対策を打ち出さないのか?問題提起に対しての答えがありません。これでは投票のしようがないと思うんですが。

人口減少は若者のトレンドを読めなかった産業にもある

静岡県でも浜松に限って言えば、自動車産業などの工業が盛んです。ヤマハ、スズキ、ホンダなどが生まれたことを誇りに思っています。しかし、工業に対する若者のイメージは、「汚い」「つらい」などマイナスのイメージが付いています。これではなかなか就職したいと思えないのではないでしょうか。

むしろ、IT業界やメディア業界に人材は流れて行くと思いますし、そういう会社が浜松にはほとんどないと言えるでしょう。女性が工業に進むということもなかなかないと思います。

そう思うと、若者が集まらないのは偶然ではなく必然なのです。業界の再編、もしくは新しい業界を育てようとしなかったことに大きな問題があります。

人口減少の対策は市政と民間が協力するしかない

最近浜松市は、ベンチャーを東京から浜松に誘致する政策を強めています。そのための予算もかなり取っています。ただ、それは違うのではないでしょうか。それよりも、浜松市で頑張っている中小企業へ融資をして伸ばして行くほうがいいと思います。

結局街つくりは、人が命です。どれだけ市民が踏ん張れるか。力を見せられるかです。外部の力は必要な時もありますが、まずは市民が頑張らなければいけません。

実際にやりたいことはあるけど、お金がなくてできない浜松の経営者も多いわけです。外部にお金を流すのではなく、まずは内部の起業家にお金を流してください。

そして、もう一つ。市政は街の設計図を再度作り直す必要があります。浜松は合併を繰り返したこともあり、面積が広い。ただ、このまま人口が減れば、山間部は消滅していきます。税収が落ちることで、病院やインフラの整備も厳しくなるでしょう。

南区に住んでいる私の家の周辺ですら、最寄りのバスが廃線になりました。別の駅はバス賃が40円もアップしました。山間部は今後さらに負担が増えて行くことが考えられるので、街中に徐々に人口を集中させる施策が必要になります。

お金の使い方と設計図の作り直しは、市の責任、もしくは県の責任だと思っています。

ただ、民間も市政に協力する形で、メディア系、IT系の会社を起こして必要があります。女性や若い人が働きたいと思える業界の会社を積極的に作って行くしかありません。結局やりたい仕事がないから人口が出て行くわけですよ。1日の半分は働いているわけなので、家族と同じくらい仕事も大事なわけです。もしリモートワークが普及すれば、浜松にいながら東京の会社に属して働けるので、今後リモートワークは地方活性化の一つのキーになると思います。製造業では難しいので、やっぱりIT系やメディア系ですね。人生が100年設計になり、生き方も働き方も多様化している中で、毎日決まった時間に会社に行くというのはなぜ変わらないんでしょうかね。

で、話は戻りますが、県政はこのような議論をしてほしいです。なぜ人口減少について議論がないのか。たぶん、県の問題ではなく、市政の問題だと他人事に考えているからに違いありません。もっと議論してください。公開討論を2時間くらいネット配信して欲しいくらいです。

あと、溝口氏も川勝氏も文芸大出身なのに、浜松や静岡に学生のスキルを生かせる会社が少ないことについてどう思ってるんですかね?人口減少を考えるなら、まずは自分が在籍していた大学の学生の実態について知った方がいいと思います。

人口減少は日本全体の問題ですが、たまたま静岡県が周りを周回遅れにするくらい突っ走ってるだけです。一番乗りなので、一番早く対策たてて世界的なモデルケースにしましょうよ。